Dar Al Arkanは、サウジアラビアのRiyadhを起点に不動産事業を展開してきた上場企業です。ドバイの住宅を調べる際にも名前が登場しますが、現在の開発実務ではDar Globalとの役割の違いを押さえる必要があります。
現行の会社紹介はDar Al Arkanを不動産投資・資産管理会社と位置づけ、開発業務をDar Globalへ移したことを説明しています。この記事では、過去の実績と現在の事業体制を分けて整理します。
- Dar Al Arkanの基本情報とDar Globalとの関係
- 年次資料で確認できる事業規模と代表プロジェクト
- ドバイのブランド住宅を検討するときの確認点
目次
Dar Al Arkanはどんな会社?
正式法人名はDar Al Arkan Real Estate Development Companyです。1994年にサウジアラビアのRiyadhで創業し、2007年にサウジ証券市場へ上場しました。住宅や商業施設の開発に加え、不動産保有・運営、土地投資などを行ってきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式法人名 | Dar Al Arkan Real Estate Development Company |
| 創業・拠点 | 1994年、サウジアラビア・Riyadh |
| 上場 | 2007年にサウジ証券市場へ上場 |
| 現行の事業上の位置づけ | 不動産投資・資産管理。公式沿革では2024年に開発業務をDar Globalへ移したと説明 |
| Dar Globalとの資本関係 | 2025年末のDar Al Arkan年次報告書では88%保有と記載 |
会社の現在の位置づけは公式会社紹介、法人名と出資比率は2025年年次報告書(94ページ)で確認できます。Dar Globalはロンドン上場の別法人であり、同じ社名の言い換えではありません。
また、Dar Al Arkanは2023年以降、Dar Globalを売上などの連結対象から外しています。資本関係は続いていても、両社の公表売上を同じ範囲の数字として読むことはできません。
事業規模と開発実績
2025年年次報告書から、会社の年間売上と個別住宅の規模を整理します。金額はサウジアラビア・リヤル(SAR)で、UAEディルハム(AED)とは異なります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間売上高 | 2025年は約39.0億SAR。前年比3.75%増 |
| 売上の範囲 | Dar Al Arkanの公表連結範囲。2023年以降は主にサウジ事業で、Dar Globalの売上は連結していない |
| W Residences Dubai – Downtown | 383戸。2025年年次報告書では建設中、完成予定は2027年第2四半期 |
| Da Vinci Tower | 85戸。同報告書では完成済み。Dar Globalの案件として掲載 |
売上は年次報告書95ページ・97ページ、ドバイ2案件は34〜35ページに基づきます。売上高はその年の会計上の収益であり、住宅の新規販売契約額や引渡し戸数とは異なる指標です。
ドバイの案件が年次報告書に紹介されていることと、その案件の売上がDar Al Arkanの年間売上に連結されていることも別です。会社の年間売上と個別住宅の進捗は、異なる指標です。
関わる物件にはどんな特徴がある?
Dar Al Arkanが積み上げてきた事業には、サウジ国内の地区型開発や商業施設の運営があります。一方、ドバイで目にする住宅には、Dar Globalが展開するホテル・デザインブランドとの協業案件があります。
W Residences Dubai – DowntownはW Hotelsのブランドを、Da Vinci TowerはPaganiによるインテリアデザインを打ち出しています。同じ「ブランド住宅」でも、ホテルブランドによるサービスと、自動車ブランドのデザイン協業では内容が異なります。
ブランド協業が反映される範囲は、共用空間、室内の仕上げ、居住者向けサービスなど、案件ごとに異なります。その違いは住宅の使い方や管理条件にも関わります。
代表的なプロジェクト
W Residences Dubai – Downtown

Downtown Dubaiに位置する、W Hotelsブランドの住宅です。Dar Globalの公式サイトは同社が開発する案件として紹介しています。Dar Al Arkanの2025年年次報告書では、383戸、2027年第2四半期完成予定とされています。
一方、2026年10月22日に確認した現行の物件公式FAQは「完成済み」、ブランド紹介ページは384戸・当初の完成予定を2026年9月と記しており、公式資料間で戸数と進捗表示が一致していません。
Wブランドを使う住宅は、別の地域・別の開発会社にもあります。本件はDubai – Downtownの住宅です。Burj Khalifaなどへの近さと住戸からの眺望は別の条件であり、眺めは階数・向き・前面建物によって異なります。Dar GlobalのW Hotels紹介2025年年次報告書
Da Vinci Tower by Pagani
Business Bayの運河沿いに位置する住宅タワーです。Paganiがインテリアデザインを担当する案件として紹介され、地下3層、地上階、19階の住宅部分を持ちます。85戸の住宅で構成され、2025年年次報告書では完成済みとされています。Da Vinci Towerの年次報告
ここでのブランド協業はインテリアデザインが中心です。ホテル名を冠した住宅とは、ブランドの関わり方が異なります。建物の完成と、販売対象住戸の引渡しは別の段階です。
Al Qasr Mall
Riyadhにある商業施設で、Dar Al Arkanの不動産運営事業を知る実例です。公式沿革によると2013年に開業しました。2025年年次報告書は、スーパーマーケット、映画館、飲食・娯楽施設などを備えた運営資産として紹介しています。
ドバイの販売用住宅とは異なり、継続して保有・運営する商業不動産の例です。住宅開発だけでなく、運営資産も事業に含まれることが分かります。公式沿革/年次報告書26ページ
物件を検討するときに確認したいこと
- Dar Al ArkanとDar Globalの役割
会社名や過去の販売資料だけで契約相手を判断せず、現在の開発法人、売主、運営者を契約書で照合します。 - ブランド協業の内容
W HotelsのサービスとPaganiのデザイン協業では内容が異なります。契約書・運営資料で共用施設や付帯サービスの利用範囲と費用を確認します。 - 案件名と完成予定の更新
W Residencesは地区名まで照合し、公式資料間で異なる戸数・進捗表示を、売主の最新資料と対象住戸の引渡し通知で確認します。 - 対象住戸の条件
階数・方角・間取り・面積・駐車場・眺望を確認します。ブランドや周辺のランドマークだけで将来の賃料、売却価格を判断しないようにします。
Dar Al Arkanの物件一覧
DRIのDar Al Arkan一覧では、同社の区分で掲載している住宅の所在地や間取り、販売条件を比較できます。開発実務を担うDar Globalとの関係は、上記の事業体制のとおりです。
主な参考資料:Dar Al Arkan公式会社紹介、2025年年次報告書、Dar Global公式紹介。情報確認日:2026年10月22日。完成予定や運営条件は更新される場合があります。